アンガーマネジメントのやり方ってどんな感じ~?【心理カウンセリング】
臨床心理士・公認心理師の上岡晶です。
オンラインカウンセリングおはぎで心理カウンセリングサービスを提供しています。
今日は『アンガーマネジメント』のやり方やコツ、私が心理カウンセリングでアンガーマネジメントを行う際に共有していることなどについて書いていきたいと思います。
そもそもアンガーマネジメントのイメージってどんな感じですか?
- 「怒りをなくすの?」
- 「怒りから解放されるの?」
- 「自分は瞬間的に怒るから出来ない」
- 「そもそも相手が悪いから相手が…」
- 「自分がどうにかしたいんだけど、難しい」
など様々な疑問や考え、不安、反対に試してみたい気持ちなどがあるのではないかと思います。
そこで今回は、読んでくださる方が少しでも自分らしく過ごしていけるように書いていきたいなと思います。
そもそもアンガーマネジメントってなに?
『アンガーマネジメント』は、その言葉の通り、アンガー(怒り)をマネジメント(管理)することです。
マネジメントの意味を考えてみると想像しやすいかもしれませんが、どちらかというと支配するというニュアンスよりも、目標に向けて持っているものを最大限上手く活用していくというニュアンスが強い気がします。
なので、アンガーマネジメントは、怒りをダメなものとして完全に抑えつけたり、怒りを無いものとして扱うというよりも、自分のしたいことや目標に向けて、うまく活用していくという感覚になっていきます。
あなたがマネジメントする時にはどうしてますか?
ここで確認なのですが、あなたがマネジメントする時はどのようにされますか?
たとえば、「部下をマネジメントする」時、「学校の先生として子どもをマネジメントする」時、他にも「友達や複数人のグループをマネジメントする」時などです。
目標に向けて彼、彼女らの能力を最大限生かすことは出来ますか?
そして、うまく活用するために、あなたがしている工夫は何ですか?
マネジメント行う上ですることは様々あると思いますが、以下のようにされるかなと感じます。
アンガーマネジメントはどのように進んでいく?
アンガーマネジメントでも進む道は似ています。
(人生の)地図で言うところの「現在地」がわかるような感覚に近い気がします。
(人生の)地図で言うところのどこに行こうとされていますかという「目的地」やその目的地でどのように過ごしたいのかを共有するような感覚です。
(人生の)地図で言うところの、目的地に向けて、場所や距離、どのような手段(電車かバス、車、徒歩かなど)で行けるのか情報を収集するという感覚です。
(人生の)地図で言うところの、心地よい日程や費用、スケジュール、目的地までの行き方などを考えるという感覚です。
(人生の)地図で言うところの目的地に向かって出発~という感じです。確かに少しドキドキ感がありますね。わくわくもします。
(人生の)地図で言うところの、目的地に向けて、進んでいる道中に、スムーズに行くときと、ハプニングに見舞われる時という感じですかね。
どちらも楽しみたいですし、後々いい思い出になるときもありますもんね~。
(人生の)地図で言うところの、目的地に辿り着けたかの確認ですね。
そこで楽しんでても、悪天候や災害、また自分が別の目的地に行きたくなってくるかもしれません。
自分と相談しながら、「あーでもない」「こーでもない」とする感覚ですかね~。
このように、アンガーマネジメントの道はとても地道で、望む生活に辿り着くまでに時間がかかり、その後も絶えず微調整していくことになります。
あまりに地道な作業のため、私を含め本当の意味で怒りと上手く付き合えている人間はこの世にいないのではないかとさえ思います。
しかし、(人生の)地図を例にして書いてみて思ったのですが、何か旅や旅行に行くみたいで、楽しそうではありますね。
そして、これも旅や旅行に例えるとわかりやすいのですが、目的地を決めない旅をありますし、明確な順序はないかもしれませんね。
なので、自分の好きなやり方でやっていいように思います。
怒りってそもそも何?どうやって出てくるの?
これは、申し訳ありませんが、ほんと様々です。
あなたの特性や置かれている状況、怒ることで何をしようとしているのかによっても違うと思います。
なので、あなた自身の怒る理由や怒りを表現せざるを得ない理由を理解してみてください。
アンガーマネジメントでは、怒りをどう理解する?
ただ、心理学では、怒りが生じる理由について様々な考えがあります。
例えば、アンガーマネジメントにおいては、生物学的な反応を含めて怒りをとらえようとします。
人の生物学的な反応として、『闘争-逃走反応(fight or flight)』というものがあるとされています。
これは、生命の危機に対する人の自己防衛本能と考えられています。
例えば、あなたがクマやトラ、ライオンが目の前に現れたり、銃口を向けられた時のことを想像してみてください。
心拍数があがり、全身に力が入り、頭がフル回転しませんか?
このように、相手の一挙手一投足に集中し、どう来ても対応できるように体が勝手に備え始めると思います。
これが、『闘争-逃走反応』になります。
命の危機に対し、闘うか逃げるか瞬時に判断し、どちらかの選択をとれるように体が備える反応という感じです。
つまり、人がその状況を生命の危機と感じ、その状況に対しなすすべを持たない場合、『闘争-逃走反応』が生じると考えられます。
そして、怒りの仕組みは、この『闘争-逃走反応』から理解できるのではないかと考えます。
『自律神経系』とは?
ちなみに、『闘争-逃走反応』は、体で言うところの『自律神経系』の『交感神経』が優位に働いている状態です。
『自律神経系』は、全身に張り巡らされており、血圧や呼吸数、内臓など体内の様々な調節をしているところです。
『自律神経系』は二つに分けられており、それぞれ『交感神経』と『副交感神経』と呼ばれています。
『交感神経』は主に興奮、『副交感神経』は沈静やリラックスを担当しているという感じです。
交感神経
『交感神経』が優位にあるときの体に起こる変化として、呼吸数が増え、血圧や心拍数が上昇し、筋肉に力が入りやすくなります。
また、瞳孔が開き、手足の発汗が見られます。
そして反対に、緊急時に必要のない胃や腸の働きは抑制されます。
そしてこの『交感神経』は、上にも書いた通り、主に『闘争-逃走反応』といった危機的状況に対して働く神経になります。
副交感神経
一方、『副交感神経』は、反対に危機的でないときに働く神経で、沈静やリラックスを促します。
『副交感神経』が優位にあるときの体の変化は、『交感神経』が優位にあるときとは反対です。
呼吸は少なく深くなり、血圧や心拍数が減少し、体の筋肉が緩みます。
その一方で、胃や腸の働きは促進され、食べ物の消化や排泄が促されます。
それによりエネルギーの回復や、体内の修復や治癒が行われていきます。
心理カウンセリングでは、頻繁にこの『自律神経系』の話を共有します。
特に「よく眠れない」「休めない」時や、「どうリラックスしていいかわからない」時にこの話題になります。
「リラックスできない」時というのは、つまり、『闘争-逃走反応』が働くような危機的状況で、『交感神経』が優位になっている状態と理解できます。
そのため、リラックスするコツといえば、まずこの危機的状況から、身を移し、安心できる場所や空間で過ごすことが必要になります。
つまり“戦いの場に身を置かない”という感覚になると思います。
無自覚の内に戦いの場に身を置いていたり、これまでの人生から戦わざるを得なかった場合も多いので、この話はしっくりくる方も多いです。
すいません。
だいぶ脱線しました。
なので、『アンガーマネジメント』では、怒りを生物学的な反応も含めて理解します。
つまり、「出来事に対し、その人が危機的状況と認識し、なすすべを持っていないと感じていることが怒りの発生や表出(闘うもしくは逃げるための手段)に繋がっている」のではないかと理解します。
怒りをどう捉えるか。認知行動療法の観点では?
認知行動療法での怒りの捉え方は、アンガーマネジメントと類似している部分があります。
『認知行動療法』では、出来事が直接、人の感情や反応、行動につながるのではなく、その間にその人の認知(認識や捉え方、考え方)があると考えます。
そして、実際に人が自分の努力や工夫で変更できるかもしれない“認知”と“行動”を中心にアプローチしていく心理療法です。
つまり、認知行動療法では、怒りをはじめとする様々な感情は、出来事が直接かかわっているのではなく、その人の認知(出来事への意味づけ)により生じているのだと考え、アプローチします。
そして、認知行動療法では、怒りが生まれる理由について、その人が、出来事に対して、「自分の領域に、正当な理由なく入ってこられた危険だ」と認知した(感じた)ときに、怒りが生じ、反撃(防御)という形で怒りが表出されると考えます。
怒りはどうして起こるの?原因帰属の考えから。
これは、個人的には非常に面白いなと思う理解の仕方です。
『原因帰属』という言葉をお聞きしたことありますでしょうか?
これは人が自然にやっていることに名前が付けられているのですが、「出来事や物事の原因を推測したり、探そうとする働き」のことを言います。
出来事や物事、自分や相手の行動の原因というのは本当は、曖昧であったり、複数の要因が絡んでいたり、結局は分からないことが多いはずなのですが、人は何か特定の原因に帰属させ(当てはめ)ようとする時があります。
これを社会心理学では、『原因帰属』という言葉で理解し、説明しようとしました。
そして、この『原因帰属』(その人がどこに原因を置くか)によって、生じる感情は異なるのではないかと考えられています。
人の生じる感情を『原因帰属』の観点から理解するためのポイントは3つあります。
これは非常に面白いです。
出来事は一緒であっても、その人が原因をどこに置くかで出てくる感情が異なってきます。
なので、この原理を理解すると、怒らないこともある程度可能な気がしてきますね。
つまり、『原因帰属』では、怒りが生まれる理由について、その人が「本来曖昧なはずの出来事や物事、自分や相手の行動に特定の原因を当てはめようとしていること」が関わっているのではないかと考えます。
そして特に、「自分にとって良くない出来事が生じている」時に、「その原因を相手の努力不足によるもの、もしくはわざとだと決めつけた」時に生じるのではないかと考えます。
これはすごく心が痛い話です。
私もこうなるときがたくさんあるので、相手のことをきちんとみる余裕を持っていたいなと思います。
余談:感謝の感情について
ちなみに、さきほど、感謝の感情について、「位置(内的/外的)」のポイントから書きましたが、感謝には「統制可能性(統制可能/不可能)」のポイントも関わってくるみたいです。
つまり、自分にとっていい出来事が、自分以外(外的)の意志(統制可能)によるものだと感じた場合に感謝が生じます。
たとえば、相手がしたくてしたことが自分に良い結果を引き起こせば感謝しますが、相手がやってくれたことが誰かに言われてやったものであれば自分にいい結果をもたらしてもあまり感謝を感じにくい。
という感覚です。
なので、怒りと同情・憐み、また感謝は紙一重ですね。
日々感謝して生きたいという方がいらっしゃる場合には、まず「自分にとっていい出来事が起きる」こと、そして、「外に目を向けてみる(外的)」こと、さらに、様々なものの「努力や気持ちによって(統制可能)」自分にとっていい出来事が起きているのだと感じることで、自然と感謝が湧いてくるように感じます。
すいません脱線しました。
怒りは何を示している?河合隼雄先生の書籍より。
河合隼雄先生というのは、もう心理学の世界ではレジェンドオブレジェンドオブレジェンドの方です。
怒りの理解の仕方について、“こころの処方箋”という書籍にはこう書かれています。
「イライラは見とおしのなさを示す」
つまり、怒りが生じる理由について、「何かを見とおせていない」ことが関わっていると考えます。
“心の処方箋”の中では、特に「イライラは、自分の何か―多くの場合、何らかの欠点にかかわること―を見出すのを防ぐために、相手に対する攻撃として出てくることが多いのである。」と書かれています。
自分の中の何かや、相手の中の何かを見いだせていないことは確かに関わっているかもしれないです。
また、私の考えなのですが、見とおしのなさというのは、今後の見通しのなさも怒りを引き起こす原因ではないかと思います。
人がある状況に対し、「今すぐどうにかしないと取り返しのつかないことになる切羽詰まった状況だ」と捉えたときに、怒りや不安、焦りが生じるのではないかと感じます。
なので、どうにかなるという見通しや、時の流れに身を任せる感覚が持てたら、怒りは生じにくいのではないか、など感じます。
『闘争―逃走反応』と少し似ていますね。
怒りをどう理解する?私の好きな捉え方。
私が教えてもらった理解の仕方ですごくわかりやすい捉え方があります。
心をコップやグラスに例えます。
そこに水が入っています。
その水がコップから溢れている状態が怒りが表に出てきている状態だと理解します。
では、その水は何かというと、ストレスをはじめとする様々なものと捉えます。
つまり、怒りについて、「そもそも何らかの要因によって一杯一杯(心のグラスに水がギリギリまで入っている)の状態にあり、そこに出来事が重なり(更に水が加わり)、本人がコントロールできなくなっている(水が溢れている)状態」と理解できます。
状態的には、“一杯一杯”、“心の余裕がない”と理解します。
こうすると、怒りを受ける側も、「あ、この人一杯一杯なんやな」と少し楽になります。
怒る側も、「あ、そりゃコントロールできんわな。」「休まなあかんな。」となります。
すごくお互いのことを理解しやすい優しい捉え方だと思います。
そして、事実としてこの理解の仕方により状態や関係が改善することも多くあります。
アンガーマネジメントでは、このことについて、『一次感情』、『二次感情』という観点から理解するみたいです。
感情の分類の仕方は様々あるため、一概には言えませんが、怒りは『二次感情』に含まれると考えます。
『二次感情』は『一次感情』と呼ばれる基本的な感情(喜びや悲しみ、恐れ、嫌悪など)が複雑に絡み合って生じる感情とされています。
このように、複雑に絡み合った『一次感情』により、『二次感情』である怒りが生み出されると理解します。
なので、コップの水が『一次感情』で、溢れた水が『二次感情』と理解します。
では、怒りとどう付き合うのか?あなたはどう付き合いたいのか。
さて、前置きが長くなりました。
しかし、なぜここまで前置きを長くしたかというと、自分の怒りの正体や自分が何を求めているか(現在地と目的地)がわかると、後はあなたの中にいろんな工夫が自然と湧き出てくるように感じたためです。
なので、使えそうな方法について箇条書きにしますので、後はご自身に合うやり方や思いつくやり方を試してみてください。
怒り爆発寸前の時
『タイムアウト』
どの工夫ももしかしたら自然とされているかもしれません。
『タイムアウト』は、時間や距離を置くということです。
これはすごい大事です。
正直どのタイミングでも使えます。
あなたが良いと思えるまで、時間や距離を置いても大丈夫です。
トイレでもいいですし、外でもいいです、走っても散歩でもいいです。
あなたの心地いい場所を探し、自分の本来のペースを取り戻してください。
お互いのための”戦略的撤退”です。
これが出来る方は格好いいと思います。
あ、怒りが湧いてきたな、しばらくしたら爆発しそうだな
『ストップシンキング』
『ストップシンキング』は言葉の通り、思考(thinking)を止める(stop)ことです。
これがなかなかむつかしいですよね。
怒りが生み出される理由について上で書きましたが、共通点として、出来事に対して、その人が意味付けや原因を求めていることがありました。
そのため、出来事に対して、何も意味付けしないでおこうとする方法です。
頭の中に「無の空間」を浮かべたり、「真っ白い空間」を浮かべたりする工夫が可能です。
自分に合う好きなイメージなら何でもいいと思います。
私は、「あ、眠いなぁ~」「疲れたなぁ~」と思って「寝る時の風景を思い浮かべる」と思考が止まりますし、少し穏やかになります(私は寝るのが大好きなので)。
『コーピング・マントラ』
『コーピング・マントラ』は少し言葉がわかりにくいですが、ストレスに対処するための行動(coping)、特にここでは、文字や言葉(mantra)を指します。
どういうことかというと、あらかじめ自分の怒りを上手くマネジメントする時にしっくりくる言葉を持っておき、それを自分に声かけしてみるというものです。
たとえば、「いいよ~。今日も頑張って疲れたもんなぁ~」や、「怒りが出てきてるってことは、なんかやりたいことがあるんかなぁ~。なんやろなぁ~。でもなんかもどかしいよなぁ~」と自分に声をかけてみるなどです。
これはほんとなんでもいいです。
大切なのは、自分が心地いいかどうかです。
アンガーマネジメントを試そうと思っている方は、大切にしたい人やものがあるためだと思います。
なので、誰かや何かをないがしろにする言葉は、心地いいとは感じないはずです。
なので、自分の心地よさを基準にするのもいいかな~と思います。
『グラウンディング』
『グラウンディング』とは、意識を何かに釘付けにしておくことです。
何かをただ、ぼーっと眺めておくという感じですね。
もしかしたら自然とやられている方もいらっしゃるかもしれません。
これは、ほんとなぜか良く分からないですけど、気づいてたら落ち着いてたりしますよね。
少し『ストップシンキング』と似たような感覚ですね。
あまり私は、『グラウンディング』を意識的にやってはないのですが、この“注意を別のところに移す”というのはすごく大事だなと感じています。
分からなくなったら、「とりあえず休む」といったことや、「別のものを見る。」「別のこと考える。」などの切り替えは、私はすごく好きだなと思っています。
今大丈夫だけど、少しムカムカ、イライラしてきそうだな。
『ディレイテクニック』
『ディレイテクニック』は、反応を遅らせる(delay)テクニックですね。
これも皆さんの中でいくつか持っているかもしれません。
『深呼吸』や、『6秒数える』など聞くかもしれませんが、それが『ディレイテクニック』に近いです。
『カウントバック』と呼ばれる、頭の中で数字を逆に数えるみたいな方法もあるみたいです(100→99→98→…)。
『ディレイテクニック』として、上にあげた様々な対処法を使うときもあります。
焦らないテクニックという感覚です。
私は焦って良いことが起きた試しがないので、今の自分に「どうしたい?」とよく相談しながら行動や反応するように心がけています。
日常的な工夫
自分の怒りの特徴や反応に気づく練習
そもそも自分がどのような時にどうなるかといったパターンや特徴、その時の身体感覚を掴めていない場合が多くあります。
その時は少し遠回りに感じるかもしれませんが、まず自分の反応を眺めたり感じる時間をとってください。
まずは現在地と目的地の把握が必要です。
ここで出来る工夫は何でもいいです。
親しい人に聞いたり報告したり、自分で紙に書いたり、自分でそうだなぁ~と思い出したり。
日常的なストレスケア
上で心をグラスやコップに例えたのを覚えていますか?
日常的にストレスで一杯一杯で余裕のない時には、どうしても自分のコントロールが上手くいかない場合が多いです。
そのため、無理のない生活や、日ごろから心地よい生活を送ってみるよう意識してみてください。
また、自分からストレスを受け入れようとされる方もいらっしゃいます。
たとえば、「嫌だと感じていても無理にやる」などです。
ここは非常に難しい問題で、「頭ではわかっていても体や気持ちが…」となることもあります。
そのような場合は、あまり無理はされず、すごくもどかしいですが、1つ1つ丁寧に、今の自分の気持ちを感じてみてください。
すごく葛藤して苦しんでいると思います。
自分の望む生活や大切にしたい人やものを思い出しながら、時の流れに身を任せてみてください。
コミュニケーションの工夫
アンガーマネジメントを試されたいと思う方の多くが、大切な人と上手くいっていなさを感じていると思います。
ここはすごくしんどくてもどかしいです。
アンガーマネジメントで言われてる効果的なテクニックとして『Iメッセージ』というのがあります。
相手との関係が上手くいかない時には、多くの場合、メッセージの主語が「You(あなた)」になっています。
つまり、
「あなたは、○○だよね」
「お前が、あかんねやん」
「君が、そうするから」
という感じです。
普段あまり意識していませんが、こういう風に相手から言わると、気づかぬうちに傷になっていたり、つらく感じたりする時がありませんか?
なので、意識して、主語を「I(私)」にして伝えるように工夫します。
たとえば、
「私は、〇〇と感じたよ。だからあなたに〇〇してほしいと思った」
「自分は、今しんどいから、後で話してくれたら助かる。」
「俺は、納得できないから、その意見を受け入れることができません」
などです。
どことなく、これを聞く側のダメージは少なく感じませんか?
また、「あ、自分ってこう思ってたんや~」と自分の気持ちや考えに気づくこともあります。
何かすごい不思議なんですけど、こういうテクニックもあります。
基本的には「I’m OK, You are OK(私もオッケー、あなたもオッケー)」のコミュニケーション(『アサーティブ』)なコミュニケーションを目指しますが、これはすごく難しく絶えず微調整の必要な苦しい作業なので、こちらも少しずつ無理のない範囲で~。
アンガーマネジメントやコツ、心理カウンセリングで共有することなど、ごちゃまぜになってしまっていましたが、書きました~。
無理せず~
あと虐待やDV、パワハラなどについては、早急な対処が必要なため、あなたやあなたの大切な人を守るためすぐにヘルプを出し状況にアプローチしてください。
それでは~。
ありがとうございました。
参考・引用文献
- 安藤俊介(2016)『アンガーマネジメント入門』朝日新聞出版社
- 安藤俊介(2018)『怒りが消える心のトレーニング=図解アンガーマネジメント超入門=』株式会社ディスカヴァ―・トゥエンティーワン
- 河合隼雄(1998)『こころの処方箋』新潮文庫
- 奈須正裕(1989)「Weinerの達成動機づけに関する帰属理論についての研究教育心理学研究」,37巻,1号,pp84 -95 .