スキナー(Burrhus Frederic Skinner)
スキナー
”スキナー(Skinner, B. F.)”は1904年から1990年に活躍したアメリカの心理学者です。
スキナーは”ワトソン(Watson, J. B.)”が創始した『行動主義心理学』の基本的主張を受け継いだ人物であり、『行動分析学』の提唱者になります。
1930年代以降、行動は刺激条件などの独立変数と、生体内要因としての媒介変数とによって規定される従属変数であると考える『新行動主義』が現れました。
しかし、スキナーは生体内をブラックボックスと見立てて、媒介変数的なものは不必要であると考えました。
ブラックボックス
機能は知られているが、内部構造が不明の装置やシステムのこと。
内部構造を問題にせずに入力と出力、原因と結果だけを扱う場合の、その過程や回路・装置のこと
そして、操作可能な環境の諸条件(独立変数)と行動(従属変数)との関係だけに注目し、行動に影響を与える諸条件を帰納的に分析していけばいいと考えました。
これを『実験的行動分析』と呼びました。
スキナーの行動分析学は実験的行動分析などの手法を用いて、人間や動物の行動を分析し、行動の原理や法則を導き出し、行動の予測と統制を可能にしようと試みました。
また、このような知見は人や動物の様々な問題行動の解決に応用されることとなりました。
これは『応用行動分析』と呼ばれています。
また、スキナーは人間や動物の行動を『レスポンデント』と『オペラント』に分類して理解しようとしました。
『レスポンデント』には、”パヴロフ(Pavlov, T. P)"が提唱した『レスポンデント(古典的)条件付け』の理論を用いて定義しました。
また、『オペラント』には”ソーンダイク(Thorndike、E. L.)”の『試行錯誤学習』の理論を『オペラント(道具的)条件付け』として再定義しました。
スキナーはこのように人間や動物の行動を分析し体系化することで行動分析学を確立させていきました。
参考・引用文献
森岡正芳編 (2022) 『臨床心理学中事典』野島一彦 (監修), 遠見書房.
\この記事を書いた人/
臨床心理士・公認心理師
上岡 晶
Ueoka Sho
精神科・心療内科での勤務を経て、2023年から「オンラインカウンセリングおはぎ」を開業しました。私のカウンセリングを受けてくださる方が少しでも望まれる生活を送れるように、一緒に歩んでいきたいと考えています。