傍観者効果(bystander effect)
傍観者効果
『傍観者効果』は、1968年に”ラタネ(Latane, B)"と”ダーリー(Darley, J. M.)"の実験により検証された現象になります。
傍観者効果とは、傍観者の存在によって、緊急事態であっても個人の援助行動などの行動が抑制されてしまう現象を指します。
傍観者効果が発見されるまでには以下のような経緯がありました。
1964年、アメリカのニューヨークで、深夜一人の女性が暴漢に襲われる事件が発生しました。
その時に、多くの近隣住民がその現場を目撃していたにも関わらず、誰も通報などの援助行動を行いませんでした。
ニュースでは近隣住民の冷淡さや無関心さが報道されました。
このようなニュースに対し、ラタネやダーリーは冷淡さや無関心さといよりも、多くの目撃者がいたことがかえって援助行動を抑制してしまったのではないかと考え、実験を行い傍観者効果が実証されることになりました。
傍観者効果により、援助行動が抑制される要因として、「責任の分散」や『評価懸念』(他者のネガティブな評価を恐れる)、『多元的無知』(他者が行動しないのを見て自分も緊急事態だと認識しない)などが挙げられています。
参考・引用文献
亀田達也(2019)『図解眠れなくなるほど面白い社会心理学』日本文芸社.
森津太子(2015)『現代社会心理学特論 放送大学大学院教材 放送大学大学院文化科学研究科 人間発達科学プログラム』改訂版, 放送大学教育振興会.
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\この記事を書いた人/
臨床心理士・公認心理師
上岡 晶
Ueoka Sho
精神科・心療内科での勤務を経て、2023年から「オンラインカウンセリングおはぎ」を開業しました。私のカウンセリングを受けてくださる方が少しでも望まれる生活を送れるように、一緒に歩んでいきたいと考えています。