集合的(普遍的)無意識(collective unconsious)
集合的(普遍的)無意識
『集合的(普遍的)無意識』は、”ユング(Jung、C. G.)”により生み出された理論であり、『分析心理学』に組み込まれています。
集合的(普遍的)無意識とは、『個人的無意識』のさらに奥にある人類全体に共通する『無意識』の層を指します。
無意識という概念は『精神分析』を創始した”フロイト(Freud, S.)”により初めて発見されました。
フロイトは無意識について「これまで意識されていたものが何らかの理由で意識されなくなったもの」と考えていたのに対し、ユングはフロイトが想定した無意識よりもさらに底に生来的な無意識があると考えました。
そしてユングは、フロイトが想定した無意識を個人的無意識、さらに底にある無意識を集合的(普遍的)無意識と分類し理解しようとしました。
集合的(普遍的)無意識の発見には、ユングが治療を行っていた『統合失調症』の患者の語りが関わっているとされています。
その患者が語る『妄想』の内容と、それを聞いた後にユングが読んだギリシャ語の本の内容が似ていたというものです。
その本が出版されたのは患者が語った後であり、そもそも患者はギリシャ語が読めませんでした。
このような経験により、ユングは時間や場所に繋がりが無くても、人類に共通するイメージを生み出す心の基礎が全ての人に潜在的に備わっていると考えました。
それにより生み出されたのが集合的(普遍的)無意識の概念になります。
そしてユングは、集合的(普遍的)無意識を理解していく中で、人類に共通するイメージや無意識内容の基本的な型を見出し『元型』と呼び理解しようとしました。
参考・引用文献
森岡正芳編 (2022) 『臨床心理学中事典』野島一彦 (監修), 遠見書房.
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\この記事を書いた人/
臨床心理士・公認心理師
上岡 晶
Ueoka Sho
精神科・心療内科での勤務を経て、2023年から「オンラインカウンセリングおはぎ」を開業しました。私のカウンセリングを受けてくださる方が少しでも望まれる生活を送れるように、一緒に歩んでいきたいと考えています。