同調(conformity)
同調
『同調』は、1951年の”アッシュ(Ash, S.)"の一連の研究により研究され始めました。
同調とは、自分の考えや行動を、他者や社会での規範、慣習に合わせてしまうことを指します。
同調はアッシュにより一連の研究により検証されました。
中でも、線分判断課題による実験が有名です。
線分判断課題の実験
1人で回答したときにはほとんどの人が間違えることのない課題を用意します。
そして、1人で回答する時と集団の他の人たちが自分と違う回答をする中で回答する時の反応の違いを調べることで同調について検証しようとしました。
<実験方法>
- 1本の線が描かれた1枚のカード(A)を用意する
- 3本の線が描かれたカード(B)を用意する。3本の線のうち1本は(A)と同じ長さの線。
- (A)に描かれた線の長さと同じ長さの線を(B)の中から選ぶ。
以下のような状況で実験を行う。
- 被検者1人で回答する
- 8人の参加者がおり、1人ずつ順番に回答する。
8人のうち7人はサクラであり、被検者は7人のサクラの回答を聞き、最後に回答する。
7人のサクラは検査者の指示で回答をする。
<実験結果>
被検者が1人の時には正答率はほぼ100%であったものが、被検者以外の7人のサクラが誤った回答をした場合、被検者の正答率が約70%に減少した。
このようなアッシュの実験により、1人なら間違えない問題であっても、周囲の影響により判断や意見が大きく影響を受ける可能性があることが示唆されました。
参考・引用文献
亀田達也(2019)『図解眠れなくなるほど面白い社会心理学』日本文芸社.
森津太子(2015)『現代社会心理学特論 放送大学大学院教材 放送大学大学院文化科学研究科 人間発達科学プログラム』改訂版, 放送大学教育振興会.
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\この記事を書いた人/
臨床心理士・公認心理師
上岡 晶
Ueoka Sho
精神科・心療内科での勤務を経て、2023年から「オンラインカウンセリングおはぎ」を開業しました。私のカウンセリングを受けてくださる方が少しでも望まれる生活を送れるように、一緒に歩んでいきたいと考えています。