布置(constellation)

布置

布置』は、”ユング(Jung、C. G.)”により生み出された理論であり、『分析心理学』に組み込まれています。

布置とは、英語で星座や誕生時の星の配置を表す言葉であり、占星術などでは人の運命を占うものとして用いられていました。
一つ一つの星には本来意味はありませんが、全体として星々を眺め繋ぎ合わせていくことで星座といった意味を持ち始めます。

このような布置の考えをユングを心理臨床(人の心や『精神障害』の理解とその治療)に応用しました。

ユングは布置の考えに基づき、人の心や精神障害を理解していくためには、個人だけに注目するのではなく、個人を取り巻く様々な出来事や人間関係、環境などといった全体の繋がりや配置を読み取ることが必要であると考えました。
それにより、一つの事象だけでは意味を読み解くことが出来なかった問題が、全体的な事象として眺めることで意味が立ち現れ、問題を読み解くことが出来るようになると考えました。

森岡正芳編 (2022) 『臨床心理学中事典』野島一彦 (監修), 遠見書房.

日本心理臨床学会編(2011)『心理臨床学事典』 丸善出版.

氏原寛編(2004)『心理臨床大事典』改定版, 培風館.

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この記事を書いた人

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臨床心理士・公認心理師
上岡 晶
Ueoka Sho

精神科・心療内科での勤務を経て、2023年から「オンラインカウンセリングおはぎ」を開業しました。私のカウンセリングを受けてくださる方が少しでも望まれる生活を送れるように、一緒に歩んでいきたいと考えています。

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