CMI健康調査票(CMI:cornell medical index)

CMI健康調査票

CMI健康調査票』は”ブロードマン(Broadman, K.)”によって作成された『質問紙法』の『心理検査』になります。
医学的面接の補助手段として使用されています。

CMI健康調査票は、初診時に、短時間で患者の状態を把握するための問診表として作成されました。

CMI健康調査票の内容は心身両面にわたる自覚症状を把握できるよう工夫されており、形式もチェックリストのため、実施が容易となっております。

適用範囲は14歳~成人で、所用時間は15分~20分となっております。

CMI健康調査票は、身体的項目(12区分)と精神的項目(6区分)に関する質問から構成されており、以下のような内容となっています。

  • 身体的項目(12区分)
    • 目と耳
    • 呼吸器系
    • 心臓脈管系
    • 消火器系
    • 筋肉骨格系
    • 皮膚
    • 神経系
    • 泌尿生殖器系
    • 疲労度
    • 疾病頻度
    • 既往症
    • 習慣
  • 精神的項目(6区分)
    • 不適応
    • 抑うつ
    • 不安
    • 過敏
    • 怒り
    • 緊張

また、CMI健康調査票では『神経症』の判別を行うことも可能となっており、独自の神経症判別図を用いて4段階で判別を行います。

実施方法

実施前

  • 準備物(検査者)
    • CMI健康調査票の検査用紙
    • ボールペン

実施中

  • 教示(検査者→被検者)
    • 「この質問紙では、心身の状態に関して質問しています。」
    • 「質問項目を読み、<はい>か<いいえ>のどちらかに〇をつけてください」
    • 「わからないことがあればお聞きください。」
  • 実施(被験者)
    • 被検者は教示の通りに実施します。
  • 記入後(検査者)
    • 記入漏れがないか確認します。

実施後

  • 採点
    • マニュアルに従い、結果の採点を行います。
  • 解釈(検査者)
    • 採点の結果をマニュアルに記載された判定基準と照らし合わせ、被検者の状態を判定します。
    • 身体的・精神的自覚症状の二つの値と、神経症判別図を用いて、4段階で神経症の判別を行います。 
      • Ⅰ領域:心理的正常域(問題なし) 
      • Ⅱ領域:心理的に正常である可能性が強い 
      • Ⅲ領域:神経症の傾向がある領域 
      • Ⅳ領域:神経症の可能性が強い 
  • フィードバック(検査者→被検者)
    • 検査者は検査により明らかになった被検者の状態を被検者にフィードバックし、自己理解や支援に役立てます。
    • この手続きは所属機関によって様々で、他職種から依頼があり実施した場合は、他職種へ検査結果を報告し、他職種から被験者にフィードバックする場合もあります。
    • フィードバックを行う際には、検査結果をあらかじめ心理検査所見として書面にまとめる場合も多くあります。

森岡正芳編 (2022) 『臨床心理学中事典』野島一彦 (監修), 遠見書房.

日本心理臨床学会編(2011)『心理臨床学事典』 丸善出版.

氏原寛編(2004)『心理臨床大事典』改定版, 培風館.

山内俊雄・鹿島晴雄編『精神・心理機能評価ハンドブック』中山書店.

動画での解説はこちら

この記事を書いた人

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臨床心理士・公認心理師
上岡 晶
Ueoka Sho

精神科・心療内科での勤務を経て、2023年から「オンラインカウンセリングおはぎ」を開業しました。私のカウンセリングを受けてくださる方が少しでも望まれる生活を送れるように、一緒に歩んでいきたいと考えています。

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