フラッディング(flooding)

フラッディング

フラッディング』は『行動療法』に含まれる一つの治療技法になります。
主に『恐怖症』や『強迫性障害』に対する治療法として用いられています。

フラッディングは、『暴露療法/エクスポージャー』と同様に、クライエントが望む生活の妨げとなっている不安や苦痛の緩和のため、不安を感じる場面に直面(暴露)していく方法になります。

しかし、暴露療法が最も不安を感じにくい場面から段階的に直面(暴露)していく方法なのに対し、フラッディングでは、最初から最も強い刺激状況に直面(暴露)していく方法をとります。

フラッディングでは、急に最も強い刺激にさらされることで大きな苦痛を生じさせますが、その一方でより早い治療効果が得られる場合があります。

フラッディングは、クライエントの生活を妨げる実際の場面において実施されますが、その前段階として想像によるフラッディングを行うことも有用とされています。
この想像によるフラッディングは『インプロージョン(implotion)』と呼ばれています。

森岡正芳編 (2022) 『臨床心理学中事典』野島一彦 (監修), 遠見書房.

日本心理臨床学会編(2011)『心理臨床学事典』 丸善出版.

氏原寛編(2004)『心理臨床大事典』改定版, 培風館.

この記事を書いた人

上岡晶の画像

臨床心理士・公認心理師
上岡 晶
Ueoka Sho

精神科・心療内科での勤務を経て、2023年から「オンラインカウンセリングおはぎ」を開業しました。私のカウンセリングを受けてくださる方が少しでも望まれる生活を送れるように、一緒に歩んでいきたいと考えています。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA