集団療法(group therapy)
集団療法
『集団療法』とは、集団を媒介として行われる治療的活動全般のことを指します。
集団療法のはじまりは、1930年代に内科医の"プラット(Platt, J. H.)"が結核患者に対して集団での治療を実践し、研究したこととされています。
その後、1960年代に、"ヤローム(Yalom, I. D.)"が集団療法における治療的要因について実証的な研究を行い、その有効性を明らかにしていきました。
集団療法では、集団の効果によって、参加者は保護され、包まれ、一体感を持つことが出来ます。
それにより、現在や過去の葛藤を再演し、検討することができるようになり、自己理解や、対人関係の質の向上、修正や発達に繋がっていくとされています。
集団療法は、集団の力を利用して、心の問題にアプローチしていく手法全般を表しますが、その中でも特に、心理学的な技法を用いたものを『集団心理療法』と呼びます。
また、集団心理療法の中でも、精神的な健康に焦点を当て、治療を目的にしたものを『集団精神療法』と呼びます。
さらに、集団療法には、主に成長や訓練を目的としたものもあり、それらは『集中的グループ経験』と呼ばれる場合があります。
集団療法は様々な理論のもと発展を続けており、様々な形式で実践されています。
分類 | 人物 | 『集団療法』 |
---|---|---|
『集中的グループ経験』 | "レヴィン(Lewin, L.)" | 『ラボラトリー・トレーニング』 『Tグループ』 |
"ロジャーズ(Rogers, C. R.)" | 『エンカウンターグループ』 | |
"パールズ(Perls, F. S.)" | 『ゲシュタルト療法』 | |
”バーン(Berne, E.)” | 『交流分析』 | |
『集団心理療法』 | "モレノ(Jacob, L. M.)" | 『心理劇』 |
ー | 集団『芸術療法』 | |
ー | 『自助グループ』 | |
ー | 集団『認知行動療法』 | |
”リバーマン(Liberman, R. P.)” | 『社会生活技能訓練(SST)』 | |
ー | 『アサーション・トレーニング』 |
参考・引用文献
森岡正芳編 (2022) 『臨床心理学中事典』野島一彦 (監修), 遠見書房.
\この記事を書いた人/
臨床心理士・公認心理師
上岡 晶
Ueoka Sho
精神科・心療内科での勤務を経て、2023年から「オンラインカウンセリングおはぎ」を開業しました。私のカウンセリングを受けてくださる方が少しでも望まれる生活を送れるように、一緒に歩んでいきたいと考えています。