ワトソン(John Broadus Watson)
ワトソン
”ワトソン(Watson, J. B.)”は1878年から1958年に活躍したアメリカの心理学者です。
『行動主義心理学』の提唱者として知られています。
ワトソンは、心理学について次のように考えました。
「心理学は人間の行動を取り扱う自然科学の一分野であり、その目的は行動の予測と統制である。研究対象となるのは観測可能な物理刺激に対する有機体の筋運動、腺分泌、またはそれらによって起こされた環境の変化である。意識とか、心的生活といったものは仮定にすぎず、注意するに値しない」
また、ワトソンは、行動は最終的には生理的過程に帰着する(最終的に行きつく)反応から成り立ち、刺激(Stimulus)と反応(Response)には決定的な因果関係が存在すると考えました。
これを『S-R理論(Stimulus-Response Theory)』と呼びます。
ワトソンの考えはその後、”ハル(Hull, C.)”や”トールマン(Tolman, E. C.)”、”スキナー(Skinner, B. F.)”の『新行動主義』や『行動分析学』へと発展していきます。
また、”アイゼンク(Eysenck, H. J.)”や”ウォルピ(Wolpe, J.)”などによる『行動療法』の創始に大きな影響を与えています。
ワトソンの基本的な主張はスキナーによって受け継がれました。
また”パヴロフ(Pavlov, T. P)"の『レスポンデント(古典的)条件付け』を学習過程の理解の中心に位置づけました。
参考・引用文献
森岡正芳編 (2022) 『臨床心理学中事典』野島一彦 (監修), 遠見書房.
\この記事を書いた人/
臨床心理士・公認心理師
上岡 晶
Ueoka Sho
精神科・心療内科での勤務を経て、2023年から「オンラインカウンセリングおはぎ」を開業しました。私のカウンセリングを受けてくださる方が少しでも望まれる生活を送れるように、一緒に歩んでいきたいと考えています。