カーンバーグ(Otto Friedmann Kernberg)
カーンバーグ
”カーンバーグ(Kernberg, O. F.)”は1928年から現在まで活躍している精神分析家の精神科医です。
カーンバーグはオーストリアのウィーンで生まれ、第二次世界大戦の影響でチリに移住することになります。
チリで生物学と医学を学び、精神科医となります。
その後アメリカに移住し活躍することとなります。
カーンバーグは”フロイト(Freud, S.)”が創始した『精神分析』の流れを汲む『自我心理学』と『対象関係論』の統合に尽力しました。
カーンバーグの立場は『自我心理学的対象関係論』もしくは『対象関係論的自我心理学』と呼ばれています。
カーンバーグの功績には『パーソナリティ構造モデル』を唱えたことが挙げられます。
『精神障害』の理解や区別は難しく、『精神病』や『神経症』という言葉で分類されてきました。
しかし、精神病とも神経症とも決め難い患者も見られ、治療者が困惑する場面も多く見られました。
どちらにも決め難い精神障害は『境界例』と呼ばれ、様々な検討がなされてきました。
そこにカーンバーグが現れ、境界例を神経症とも精神病とも異なった人格を備えた病態として整理しました。
また、境界例の理解のために『境界性パーソナリティ構造』の概念が生み出され、その治療に大きく貢献していくことになります。
参考・引用文献
森岡正芳編 (2022) 『臨床心理学中事典』野島一彦 (監修), 遠見書房.
日本心理臨床学会編(2011)『心理臨床学事典』 丸善出版.
横川滋章・橋爪龍太郎(2015)『生い立ちと業績から学ぶ精神分析入門 22人のフロイトの後継者たち 』 乾 吉佑 (監修), 創元社.
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\この記事を書いた人/
臨床心理士・公認心理師
上岡 晶
Ueoka Sho
精神科・心療内科での勤務を経て、2023年から「オンラインカウンセリングおはぎ」を開業しました。私のカウンセリングを受けてくださる方が少しでも望まれる生活を送れるように、一緒に歩んでいきたいと考えています。