プロンプティング(prompting)

プロンプティング

プロンプティング』は『行動療法』に含まれる一つの治療技法になります。
キューイング(cueing)』とも呼ばれます。

プロンプティングは、クライエントが自身の望む生活のために必要な行動の増加を目指す時に用いられる技法となっています。

プロンプティングでは、出来るだけクライエントが誤りを生じさせず、目標行動を起きやすくさせられるように、援助者より手助けや手がかりが伝えられます

援助者がクライエントに提示する手がかりとなる刺激を『プロンプト』と呼びます。
プロンプトにはいくつかの種類があり、それぞれ『言語プロンプト』『身振りプロンプト』『 モデルプロンプト』『身体プロンプト』などと呼ばれ、他にも『位置プロンプト』『視覚的プロンプト』などがあります。

プロンプティングの実施により、クライエントが必要な行動を獲得できた場合、援助者は徐々にプロンプトの提示の頻度を減少させていきます。
これを『フェイディング』と呼びます。

このフェイディングにより、クライエントはプロンプティングの助けが無くても、必要な行動の遂行や維持が可能になります。

プロンプト

プロンプトの種類はそれぞれ以下のようになっています。

  • 言語プロンプト
    • 声かけや、説明、ヒント、助言、質問などの言葉による手助けをさします。
  • 身振りプロンプト
    • 身振り手振りなどのジェスチャーを用いた手助けを指します。
  • モデルプロンプト
    • 実際にモデル(見本)を提示するといった手助けを指します。
  • 身体プロンプト
    • クライエントの体を援助者が動かし正しい動きが身に着くように誘導する手助けを指します。
  • 位置プロンプト
    • 複数の選択肢の中からクライエントが正しい選択がとれるよう、援助者が物の配置を工夫する手助けを指します。
      (例えば、複数の絵が描かれたカードから正しい一枚を選んでもらう際に、正解のカードだけ近づけるなど)
  • 視覚的プロンプト
    • 複数の選択肢の中からクライエントが正しい選択がとれるよう、援助者が視覚情報を工夫する手助けを指します。
      (例えば、複数の絵が描かれたカードから正しい一枚を選んでもらう際に、正解のカードだけ違う色にするなど)

森岡正芳編 (2022) 『臨床心理学中事典』野島一彦 (監修), 遠見書房.

日本心理臨床学会編(2011)『心理臨床学事典』 丸善出版.

氏原寛編(2004)『心理臨床大事典』改定版, 培風館.

動画での解説はこちら

この記事を書いた人

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臨床心理士・公認心理師
上岡 晶
Ueoka Sho

精神科・心療内科での勤務を経て、2023年から「オンラインカウンセリングおはぎ」を開業しました。私のカウンセリングを受けてくださる方が少しでも望まれる生活を送れるように、一緒に歩んでいきたいと考えています。

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