論理療法(RT:rational therapy)
論理療法
『論理療法』は1955年に”エリス(Ellis, A.)”によって提唱された心理療法です。
論理療法は、のちに名称が変更され『合理感情療法(RET:rational emotive therapy)』、そして『理性感情行動療法(REBT:rational emotive behavior therapy)』へと発展していきます。
論理療法では、クライエントが事象、状況に対して抱く非理性的・非機能的な確信、信念に焦点を当てます。
そして、そのクライエントが抱く非合理的な信念に対して、言語的に論駁(相手の誤りを指摘)するなど積極的で指示的な働きかけを行います。
それにより、クライエントは自らの非合理的な信念に気づき、信念は理性的、機能的なものへと変容していきます。
その結果、クライエントのネガティブな感情や行動が減少していくといった手法になります。
論理療法の理論は、ABCDEを用いて論理的に説明されています。
- A(active event):その人にとっての大きな「出来事」
- B(belief system):その人の「信念体系」
- C(consequence):「結果」
- D(dispute):「反論」
- E(effect):「効果」
論理療法では、「結果(C:consequence)」、例えば現在の落ち込みや不適応状態にあることの原因は、過去の「出来事や経験(A:active event)」にあるのではなく、その人が一体何を信じているかという「信念体系(B:Belief system)」が原因であると考えます。
「信念体系(B)」には二通りあり、一つが『理性的な信念』で、もう一つを『非理性的な信念』と呼びます。
論理療法では、この非理性的な信念を明らかにし、それを徹底的に「反論、粉砕(D:dispute)」します。
そして、非理性的な信念に代わり、理性的な信念を身に着け、自己コントロール感を育てることを目指します。
これが「効果(E:effect)」になります。
参考・引用文献
森岡正芳編 (2022) 『臨床心理学中事典』野島一彦 (監修), 遠見書房.
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\この記事を書いた人/
臨床心理士・公認心理師
上岡 晶
Ueoka Sho
精神科・心療内科での勤務を経て、2023年から「オンラインカウンセリングおはぎ」を開業しました。私のカウンセリングを受けてくださる方が少しでも望まれる生活を送れるように、一緒に歩んでいきたいと考えています。