自我による自我のための退行(RISE:regression in the service of the ego)【心理学用語】臨床心理学
自我による自我のための退行(RISE:regression in the service of the ego)
『自我による自我のための退行』は、1952年に"クリス(Kris, E.)"により提唱された概念になります。
『退行』とは、現在の状態より以前の状態へ、あるいは未発達な段階へ逆戻りする心の働きを表します。
これは『精神分析』を創始した”フロイト(Freud, S.)”により提唱された理論であり『自我』の『防衛機制』の一つに含まれています。
『退行』についてフロイトは病的な心の働きであると捉えていましたが、クリスは芸術家の分析や研究を通して『退行』の創造的な働きを明らかにしました。
それにより生み出されたのが、『自我による自我のための退行』の考えになります。
『自我による自我のための退行』とは、より新しい考えやより新しい適応を生み出すものとして『退行』は用いられており、創造性の発揮には『退行』が不可欠であると考える立場を指します。
この考えは”シェーファー(Schafer, R.)”に応用され『創造的退行』の概念として『自我心理学』の中に組み込まれていきました。
人物
- "クリス(Kris, E.)"
キーワード
- 『自我による自我のための退行』
- 『退行』
- 『自我心理学』