自己教示訓練(self-instructional training)
自己教示訓練
『自己教示訓練』は『行動療法』に含まれる一つの治療技法になります。
”マイケンバウム(Meichenbaum, D. H)”が体系化した『ストレス免疫訓練』における認知的技法の一つとされています。
自己教示訓練では、「言葉には行動を調節する機能がある」という考えのもと、クライエントが自分自身に適切な教示を与えることによって、適応行動の獲得と遂行を容易にすることを狙った治療法になります。
自己教示訓練は以下のような手順で行われます。
- 治療者がモデルとなり実施し、クライエントはそれを観察します。
- 治療者のモデルがある状態で、クライエントは『自己教示訓練』を行います。
- 治療者のモデルがない状態で、クライエントは自己教示訓練を行います。
- 自己教示訓練を繰り返し行い、日常生活にも適用させていきます。
- ストレス免疫訓練
マイケンバウムにより提唱された、ストレスに関連する様々な問題を解決するための治療パッケージを指します。
ストレス免疫訓練では、以下の段階を経ることにより、ストレスの低減やストレスに関わる問題の解決を図ります。
- 教育の段階
- ストレスやその対処法について学習します
- リハーサルの段階
- セッションの中で自身が抱える問題に対する認知的対処、行動的対処を試みます
- 適用訓練の段階
- これまでの段階での学習を実生活で適用し、ストレスの低減、問題の解決を図ります
- 教育の段階
参考・引用文献
森岡正芳編 (2022) 『臨床心理学中事典』野島一彦 (監修), 遠見書房.
\この記事を書いた人/
臨床心理士・公認心理師
上岡 晶
Ueoka Sho
精神科・心療内科での勤務を経て、2023年から「オンラインカウンセリングおはぎ」を開業しました。私のカウンセリングを受けてくださる方が少しでも望まれる生活を送れるように、一緒に歩んでいきたいと考えています。