東大式エゴグラム(TEG:Tokyo university egogram)【心理学用語】臨床心理学
東大式エゴグラム(TEG:Tokyo university egogram)
『東大式エゴグラム(TEG)』は、”バーン(Berne, E.)”が創始した『交流分析』を基に、弟子の”デュセイ(Dusey, J.)”が作成した『心理検査』になります。
『心理検査』の中では、『パーソナリティ(人格)検査』の『質問紙法』に分類されています。
『パーソナリティ(人格)検査』の目的は、被検者(検査を受ける人)のパーソナリティを明らかにし、自己理解や支援に役立てることにあります。
『東大式エゴグラム(TEG)』は、被検者にパーソナリティに関する質問が書かれている質問紙に回答してもらい、検査者がそれを分析することでパーソナリティを明らかにしようとします。
適用範囲は16歳以上で、所用時間は約10分となっております。
『東大式エゴグラム(TEG)』の質問項目は、53項目となっています。
回答方法は、3つの選択肢(<はい><いいえ><どちらでもない>)から選ぶ3件法となっています。
『エゴグラム』は、『交流分析』の中心理論の1つである『自我状態』の理論から作り出された個人の心的エネルギーの量を示すグラフ(棒グラフ)です。
『エゴグラム』が日本で『標準化』されたものが『東大式エゴグラム(TEG)』であり、東京大学医学部心療内科TEG研究会により開発されました。
『自我状態』の理論では、人の『自我状態』を3つに分類して考え、それぞれ「親の自分」「大人の自分」「子どもの自分」と名付けています。
『エゴグラム』ではそれらをさらに分類して、以下のように理解しようとします。
- 「親の自分」
- 『批判的な親(CP:critical parent)』
- 厳しく倫理的な一方で、頑固で完璧主義な自分
- 『養育的な親(NP:nurturing parent)』
- 受容的で思いやりのある一方で、過干渉でお節介な自分
- 『批判的な親(CP:critical parent)』
- 「大人の自分」
- 『大人(A:adult)』
- 合理的で理性的な一方で、冷たく打算的な自分
- 『大人(A:adult)』
- 「子どもの自分」
- 『自由な子ども(FC:free child)』
- 自由奔放で明るい一方で、自己中心的で衝動的な自分
- 『順応した子ども(AC:adapted child)』
- 協調的で適応的な一方で、周囲の目を気にし自己表現できない自分
- 『自由な子ども(FC:free child)』
『東大式エゴグラム(TEG)』では、上記の5つの『自我状態』のバランスから被検者のパーソナリティを理解します。
『東大式エゴグラム(TEG)』の具体的な実施方法は以下のようになっています。
実施方法
- 実施前
- 準備物(検査者)
- 『東大式エゴグラム(TEG)』の検査用紙
- ボールペン
- 準備物(検査者)
- 実施中
- 教示(検査者→被検者)
- 「この検査は自分の性格傾向と行動パターンを理解するための検査です。」
- 「質問項目を読み、あてはまる場合には<はい>に〇を、あてはまらない場合は<いいえ>に〇をつけてください」
- 「どうしても、決められない場合は<どちらでもない>に印をつけてください。ただ、できるだけ<はい>か<いいえ>でお答えください。」
- 「わからないことがあればお聞きください。」
- 実施(被験者)
- 被検者は教示の通りに実施します。
- 記入後(検査者)
- 記入漏れがないか確認します。
- 教示(検査者→被検者)
- 実施後
- 採点
- マニュアルに従い、結果の採点を行い、プロフィールを作成します。
- 解釈(検査者)
- プロフィールで示された5つの『自我状態』のバランスから被検者のパーソナリティを分析します。
- フィードバック(検査者→被検者)
- 検査者は検査により明らかになった被検者のパーソナリティを被検者にフィードバックし、自己理解や支援に役立てます。
- この手続きは所属機関によって様々で、他職種から依頼があり実施した場合は、他職種へ検査結果を報告し、他職種から被験者にフィードバックする場合もあります。
- フィードバックを行う際には、検査結果をあらかじめ心理検査所見として書面にまとめる場合も多くあります。
- 採点
『自我状態』
『自我状態』は、人の心の状態を示す言葉として用いられています。
『交流分析』では、この『自我状態』(心の状態)が人の思考や感情、行動の基になっていると考え重視しています。
人物
- ”デュセイ(Dusey, J.)”
- ”バーン(Berne, E.)”
キーワード
- 『心理検査』
- 『パーソナリティ(人格)検査』
- 『質問紙法』
- 『東大式エゴグラム(TEG)』
- 『交流分析』
- 『自我状態』
- 『エゴグラム』