シュテルン(William, Stern.)【心理学用語】臨床心理学

シュテルン(William, Stern.)

シュテルン(Stern, W.)”は1871年から1938に活躍したドイツの心理学者です。

知能や思考について研究を行い、『知能指数(IQ:intelligence quotient)』の概念を初めて提唱した人物になります。

また、シュテルンは人のパーソナリティがどのように形作られるかを理解する上でたびたび議論となる「遺伝」か「環境」かという問題に対し、『輻輳(ふくそう)説』という考えを唱えています。

知能指数

『知能指数』は『知能検査』の結果を表す方法の一つで、IQと呼ばれています。

1905年に”ビネー(Binet, A.)”により『知能検査』が考案され、『精神年齢』の考えが導入されます。
しかし、『精神年齢』だけでは不十分な点があり、それを補う形で『知能指数』が考案されました。
(詳しくはこちら『知能指数』)

輻輳説(convergence theory)

『輻輳説』は”シュテルン”と”ルクセンブルガー(Luxenburger, J. H.)”らによって提唱されました。
輻輳は、様々なものが一か所に集まるという意味になります。

『輻輳説』では、人のパーソナリティは「遺伝」と「環境」のどちらか片方だけで形作られるものではなく、その両方により形作られると考えます。
しかし、「遺伝」と「環境」が互いに影響や作用しあっていることは想定しておらず、単純にその二つの足し算によりパーソナリティが形作られていると考えました。

現在では、パーソナリティの形成について、『相互作用説』と呼ばれる理論が有力と考えられており、「遺伝」と「環境」がどのように影響や作用しあっているかを理解することが重要とされています。

『輻輳説』と『相互作用説』の違いは以下のような感じです。

  • 『輻輳説』
    • 「遺伝」+「環境」=パーソナリティ
  • 『相互作用説』
    • 「遺伝」✖「環境」パーソナリティ

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