ヒポクラテスの四体液説とそれを発展させたガレノスの気質論【心理学の歴史】

ご覧くださりありがとうございます。
オンラインカウンセリングおはぎの上岡晶です。

今回は心理学の歴史を勉強する際に、出てくるヒポクラテスとガレノスについて書きたいと思います。

ヒポクラテスとガレノスは、心理学の歴史の本に必ずと言っていいほど出てくるのですが、大学院受験の勉強をし始めたころの私は、「なぜこの二人が心理学の歴史の本に載っているんだろう。」とわからないまま過ごしていました。

しかし、あとになって、ヒポクラテスの考えは、身体と心の関係や、身体的な要因がどのように心理的な状態や行動に影響を与えるのかを理解する基盤になっていることを知りました。
また、ガレノスは、人の性格や行動などを分類して理解しようと試みた方なのですが、それらも、後の心理学におけるパーソナリティの理解の仕方に繋がっていることを知り、改めて感動しました。

ヒポクラテス

ヒポクラテスは紀元前4世紀の古代ギリシャの時代の方で医師をされていたみたいです。
ヒポクラテスは精神の異常は悪霊などによるものでなく、脳が原因となっていることを唱えていました。

ヒポクラテスの四体液説

ヒポクラテスは、人の体内には、四つの体液(血液、黒胆汁、黄胆汁、粘液)があると言い、これらの体液がバランスを保つことで健康が維持されると考えました。

また、ヒポクラテスの理論では、四つの体液のバランスが崩れることで病気が発生し、それを治療するためには、四つの体液のバランスを回復させる必要があるとしました。
また、ヒポクラテスの四体液説では、体液のバランスが人間の性格や行動にも影響を与えると考えられ、身体的な要因が心理的な状態や行動に影響すると考えました。

四体液説
ヒポクラテスの四体液説

ガレノス

 ガレノスは紀元前2世紀の古代ローマの時代のギリシャで医師をされていたみたいです。
ガレノスはヒポクラテスの四体液説を研究し、より詳細な理論を提唱しました。

ガレノスの気質論

ガレノスは四つの気質(多血質、粘液質、憂うつ質、胆汁質)を定義して、それぞれの気質が人の性格や行動に与える影響について探求しました。
彼の考えでは、特定の気質が優勢な人はそれに応じた特徴を持つとされています。

例えば

多血質】は、血液が優勢な状態を指し、活発で社交的、楽天的な性格を持つとされました。

粘液質】は、粘液が優勢な状態を指し、冷静で穏やかな性格を持つとされました。

憂うつ質】は、黒胆汁が優勢な状態を指し、内向的で感情的な性格を持つとされました。

胆汁質】は、黄胆汁が優勢な状態を指し、自己主張が強く活動的な性格を持つとされました。

しかし、ガレノスはこれらの分類の仕方はあくまで一つのアプローチであり、個人の性格は一つの気質に完全には分類されないことにも触れていたようです。

ガレノスの気質論

まとめ

現代においては、ヒポクラテスやガレノスの理論は批判や修正を受け、直接的には用いられることは少なくなりましたが、人の身体と心の関係を理解する基礎として、また、個人の性格や行動を理解し、適切な治療法を選択するための基盤として、その後の心理学の発展に影響を与えました。

普段の生活でこの理論に触れる機会はほとんどありませんが、心理学を勉強し始める時に目にすることもあるので、知りたいと思っている方がいればと思って書きました~。

それにしても科学が発展していない紀元前の時代に脳のことについて触れるってすごすぎます。
しかし、よく考えると脳について知れる今の時代も凄すぎてよくわからないです。

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