フロム・ライヒマン(Frieda Fromm-Reichmann)
フロム・ライヒマン
”フロム・ライヒマン(Fromm-Reichman, F.)”は、1889年から1957年にアメリカで活躍したドイツ人の精神科医です。
『対人関係論』の創始者の一人として知られています。
1889年にドイツのカールスルーエで生まれ、 ユダヤ人銀行家の家庭で育ちます。
第一世界大戦では医師として負傷した兵士の治療を行い、終戦後は”フロイト(Freud, S.)”が創始した『精神分析』に関心を持ち、女性の精神分析家として活動します。
また、対人関係論の創始者の一人である"エーリッヒ・フロム(Fromm, E. S.)"と結婚しますが、後に離婚します。
しかし、離婚後も二人の交流や親交は続いたとされています。
1935年になると、ナチスによるユダヤ人への迫害が増しアメリカへ亡命することになります。
そして、チェスナット・ロッジ病院で勤めるようになり、活躍します。
フロム・ライヒマンは『精神障害』の治療において、患者の不安を取り除くために聴くことや支持することを重視しました。
また、人間に内在している潜在的能力を忘れずに常に尊敬の心を持ち接することで、患者の成長や内的独立の達成を可能にしていきました。
このようなフロム・ライヒマンの関わりは、『統合失調症者』の患者との接触やコミュニケーションの可能性をひらくことになり、その理解や治療の発展に大きく影響を与えました。
また、フロム・ライヒマンは統合失調症の原因について、発達早期の母子関係の異常さが影響している可能性を主張し、『統合失調症(分裂病)をつくる母親』の概念を提唱しました。
しかし、現在この概念は否定されています。
参考・引用文献
森岡正芳編 (2022) 『臨床心理学中事典』野島一彦 (監修), 遠見書房.
日本心理臨床学会編(2011)『心理臨床学事典』 丸善出版.
横川滋章・橋爪龍太郎(2015)『生い立ちと業績から学ぶ精神分析入門 22人のフロイトの後継者たち 』 乾 吉佑 (監修), 創元社.
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\この記事を書いた人/
臨床心理士・公認心理師
上岡 晶
Ueoka Sho
精神科・心療内科での勤務を経て、2023年から「オンラインカウンセリングおはぎ」を開業しました。私のカウンセリングを受けてくださる方が少しでも望まれる生活を送れるように、一緒に歩んでいきたいと考えています。