対人関係論(interpersonal theory)

対人関係論

対人関係論』は、”フロイト(Freud, S.)”が創始した『精神分析』の流れを汲む『心理療法』の1つになります。
"サリヴァン(Sullivan, H. S.)"や"ホーナイ(Horney, K.)"、"フロム・ライヒマン(Fromm-Reichmann, F.)"、"エーリッヒ・フロム(Fromm, E. S.)"などが創始者として知られています。

対人関係論とは、『精神障害』の理解や治療において、患者と治療者の間の相互作用や、患者の置かれている社会、文化的背景、現実の対人関係などを重視する立場を指します。

フロイトは心理臨床(人の心や精神障害の理解とその治療)において生物学的な側面を重視し、精神分析の様々な理論を生み出していきました。
それに対して、アメリカの精神科医であるサリヴァンらは精神分析では軽視される対人関係や社会文化的背景といった社会学的な側面を重視し、心理臨床に応用し始めます。
そのような流れの中で生み出されたのが対人関係論になります。
対人関係論は他にも『新フロイト派』や『ネオ・フロイディアン』とも呼ばれています。

対人関係論では、心理臨床において社会学的な側面を重視するといった共通点はあるものの、統一された理論はなく、それぞれの研究者や実践家によって様々な理論が提唱され用いられています。

森岡正芳編 (2022) 『臨床心理学中事典』野島一彦 (監修), 遠見書房.

日本心理臨床学会編(2011)『心理臨床学事典』 丸善出版.

氏原寛編(2004)『心理臨床大事典』改定版, 培風館.

横川滋章・橋爪龍太郎(2015)『生い立ちと業績から学ぶ精神分析入門  22人のフロイトの後継者たち 』 乾 吉佑 (監修), 創元社.

この記事を書いた人

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臨床心理士・公認心理師
上岡 晶
Ueoka Sho

精神科・心療内科での勤務を経て、2023年から「オンラインカウンセリングおはぎ」を開業しました。私のカウンセリングを受けてくださる方が少しでも望まれる生活を送れるように、一緒に歩んでいきたいと考えています。

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